記録ノート

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障がい者の親御さんとの座談会

2012.10.25

先日、「親亡き後の障がい者の生活について」と題して、障がい者の親御さんと座談会を開催いたしました。

こちらから、相続や成年後見人などの制度について説明したり、参加者の皆樣から疑問などをざっくばらんに話していこう、というお話の場です。

開催後の私の正直な感想は「私は障がい者家族の現状について何もわかっていなかった」ということでした。
私は障がい者の家族になったことがありませんので、わからないということは仕方のないことかもしれません。
それでも、自分なりに想像をし、こうではないか、ああではないかと色々考えていたことが、ほんの短い時間で、例えれば、じゃんけんでグーを出してパーで負けるような、圧倒的な敗北感を感じて、帰りの電車ではずっしり肩が重くなったのを覚えています。

「親が苦労をしてきているから、兄弟には苦労をさせたくない」
「グループホームに入れたくても、私の子供の障がいでは行くところがない」
包み隠すことのない率直な意見や社会福祉の実情。

そして一番心に残った言葉がこのような質問でした。
「私の子どもは施設に入れるのがいいか、兄弟にみてもらうのがいいか、どちらが幸せですか?」

私は最初、何十年も一緒に過ごして来た自分の子供なのに、その子供にとってどちらが幸せかを選択できないのはどうしてなのかわかりませんでした。
その疑問を河野に投げかけるとこう言われました。

「自分(母親)と一緒にいるのが一番幸せだとわかっているから、自分の次にどちらが幸せか決められないんや」

ドカーンと何かで殴られたような衝撃でした。
私は本当に何もわかっていないなと。
いや、わかるなんて思うこと自体、間違えてるのかもしれないと。

自分への怒りなのか、今の福祉制度への憤りなのか、色々なものが渦巻いてしばらくは、ただひたすら悶々としました。

それでも今改めて思うことはひとつです。
「少しでも安心して、少しでも幸せになってもらうために、それでもやっぱり遺言や後見人などの制度の必要性は伝えたい」
そして、もっともっとたくさん勉強して、しっかり伝えることができるように、何かお役にたてることができるようになろうと思いました。

座談会を開催を快諾していただき、準備等のお手伝いや心のこもったお気遣いまでいただいた、サンスクエアの武石樣をはじめスタッフの皆樣、またやご参加いただいた障がい者の親御さんや関係者の方にこの場をお借りしてお礼申し上げます。

本当にありがとうございました。

OGK~親亡き後も元気で暮らす会~スタッフ一同

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